books くるみのなかには of たかおゆうこのホームページ

くるみになかには

「くるみのなかには」表紙web用.jpg

たかおゆうこ ぶん え

講談社
1400円+税


「くるみのなかには なにがある?」小さい頃、冬になると長野に住む祖母がくるみを送ってくれました。母はそれを漬け物石の上に置いて慎重にカナヅチでトントンと叩きながら中身をとりだし、すり鉢で擦ってほうれん草のくるみ和えを作るのでした。堅いくるみの殻は囓っても握りしめても落としても割れることはありません。子ども心にくるみは何故そんなに堅いのだろうと思いました。何か大切なものを守っているような気がして、母がその作業を始めるとドキドキしました。もしかしたら、とんでもなく素晴らしい宝物が出てくるのではないかと。時には桃太郎、いいえ、小さなくるみ太郎が生まれやしないかと。大人になっても くるみを目にするとそんな気持ちがむくむくとわいてくるのです。そんなくるみへの思いを とうとう絵本にすることができました。この絵本は読んで「おしまい」ではなく、読んで「はじまり はじまり」の絵本です。くるみの中に何があるのかを想像してみてください。「くるみのなかには」というテーマは「くるみのそとには」というテーマも裏にかかえています。くるみの内側と外側に何を想像するか、何を創造していくかは私達次第です。まずはくるみの中を想像してみませんか。みなさんにこの絵本が届きますように!