雨がしくしく、ふった日は
森絵都 文 たかおゆうこ 絵
講談社
1050円
つゆの日々、雨がふるたびに「しとしと」が「しくしく」に聞こえ、だれかがどこかで泣いている気がしてじっとしていられないクマのマーくん。雨の中をさんぽし、泣いているあじさいやかたつむり、人間の女の子をはげましてまわります。そのはげましかたがどこか抜けていて、いつもへんてこな結末に。それでも本人は大まじめ、雨が降るたびに大いそがしなのです。しかし、マーくんのがんばりで、みんながどんどん笑顔になっても、なかなか「しくしく」の音はやみません。いったい、だれが泣いているの?あいすべきクマ、マーくんと雨とおともだちのおはなし。
泣いていたのは誰でしょう。その結末にはハッとさせられます。6月の雨の日、私もマーくんのように空を眺めたいと思いました。可愛い可愛いクマのマーくん、透明感のある森絵都さんの世界をお楽しみ下さい。